井口的詩的感情的井口論

釣りとハロプロネタがメインのちょっと格闘技が好きなおっさんのブログ笑

女子レスリング観戦記

行ってきました、千葉県は佐倉市民体育館へ。
ここは俺の思い出の地でもある。というのは、高校在学時は、いつも
県大会がここで開催されていたからだ。

会場に入るといきなり高校の恩師再会。現況等の挨拶中、お互いが
「ここでやってたんですよねぇ…」と感慨じみてはみたものの、当時は県大会だった為、
マットは2面しかひかず。が、男子グレコ全国大会も重なっての本大会、実にマットの
数は5面!その風景の違いに一気に現実に戻される…。

が、それよりも、ホンダとセトの方が現実の「試合」の規模に委縮してしまった
のではないだろうか…。
「初」の試合でこの規模とは…少々酷過ぎるか…?


セトは3年生。レスリングを始めたのが今年の4月。実に4カ月での初陣。
そして、最後の試合…。

試合に参加すると先生から聞いたのはいつだったか?2か月前?二人で作戦を考えた。
柔道経験のあるセトに、無理にレスリングをさせず、柔道を活かせる戦法にした方が賢明だろうと。
そして「巻き投げ」を、「巻き投げ」だけを狙う事にした。
一か八か…の賭けではあったが…。

レフェリーのホイッスルが鳴り、最初で最後の戦いが始まった。
狙うは「巻き投げ」、唯一つ。それには相手が右手で首をロックして来ないと
始まらない。が、ロックしているのはセトで、相手はしてこない…。
様子見をされているのだろうか?しかも、ここで柔道の癖が出たのか?セトが左手で相手の右手首を掴み、
制してしまっているのだ…。

レスリングはある程度の時間手首を制したりするのは許されるが、それを継続してしまうと、
逆にディフェンシブと採られ「オープン!」と注意を促される。

俺たちのミスだった。その意味を教えていなかったのだ…。

注意を受けるも意味を把握できずに、戸惑うセト。
数度繰り返され、初めて自分が注意されている事に気づく。
そして手を離した瞬間、相手にタックルに入られてしまう。
が、このタックルはうまく切り「がぶる」事に成功。
バックを狙い果敢にアタックするが、相手もそうは易々ポイントは与えてくれない。
2度程アタックした後、セトの体が浮ついた瞬間を相手は見逃さなかった。

内無双」。

もつれるように転がされたセトは、抑えられまいと体を反転するも、既に
相手はフォールの体制に素早くセット。
懸命に身をよじり、ブリッチを試みるセト。

いつだって「敗北」は「無情」だ。そして「無機質」な音で宣告される。


「ピピー」…。


審判の吹くホイッスルで、セトの、短くも熱い現役生活が、幕を閉じた。

もっとこうすれば…
あぁやっておけば…
これをやっておけば…

「後悔」は「言い訳」にしかならない。
そして、その逆も然り。

セトは何も言わず、じっと涙を堪えていた…。

後日、ホンダ編執筆。